独眼竜の異名で知られる伊達政宗のおひざ元としても有名な宮城県仙台市は、人口100万を超える東北一の都会です。緑豊かな美しい街は「杜(もり)の都」とも呼ばれます。また日本屈指の米どころでもあり、収穫の時期には、芋煮会が行われます。
「宮城」の由来
廃藩置県で、それまでの仙台藩から仙台県になり、当時の県庁所在地の郡名であった「宮城」に改められました。「宮城」の名は、奈良時代に朝廷の出先機関である多賀城が陸奥国府に置かれた際に「宮なる城の所在地」から「宮城」になったと考えられています。
県民性の話
東は太平洋、西には蔵王などの山々、中央には仙台平野が広がる風光明媚な土地柄、米作が盛んで経済的にも恵まれていたことから、おおらかで社交性がある県民性が育まれました。初代仙台藩主の伊達政宗に由来する、派手好きで好奇心旺盛な「伊達者(だてもの)」の気風を受け継いだおしゃれさんも多いようです。
名物料理
宮城の幸たっぷり、ごちそうご飯
地元の川で獲れた鮭と新米を使った、宮城ならではの秋の味。「腹子」(はらこ)はサケの卵のことで、サッと火を通して仕上げるのがコツ。伊達政宗の好物だったとも伝えられています。
宮城味自慢
笹かまぼこ
もともと、木の葉のような形に作られていたかまぼこが旧仙台藩主伊達家の家紋「竹に雀」の笹に因んで「笹かまぼこ」と呼ばれるように。
仙台味噌
代表的な赤味噌のひとつ。戦時の非常食でもあったため、伊達政宗も製造に力をそそいだとか。
ずんだ餅
ゆでた枝豆をすりつぶして作ったあんをからめた餅。「ずんだ」とは、豆をつぶすこと「豆打(ずだ)」がなまったものです。
牛タン
戦後、ある和食店の店主が「真似のできないおいしさ」を追求して洋食の素材とされていた「牛タン」を使用、試行錯誤の末に今の牛タン焼きが誕生しました。
宮城米
宮城県は日本を代表する銘柄米の産地です。10年ほど前までは「ササニシキ」が中心でしたが、最近では低温にも強い「ひとめぼれ」の生産が多くなりました。
かき(マガキ)
宮城のかきの養殖は江戸時代末期にまでさかのぼります。今も全国有数の名産地で、その味と品質の良さには定評があります。