昔から「ご飯がおいしく炊けたら一人前」「汁の味のよしあしで料理の腕前がわかる」といわれます。炊き立てのご飯に煮えばなの汁、それに季節の香の物を取り合わせた一汁一菜は、高級な懐石料理にも匹敵する味。ことに郷土の味として伝わる汁ものは「椀中の一汁一菜」といえるもので、特別な主菜がなくても、それだけで食は豊かになります。
具だくさんの汁ものには白いご飯が、シンプルな具の場合は、季節の味を炊き込んだご飯がよく合います。
今年も全国の米どころから新米が届き、山里の実りや海の恵みも出まわる季節です。おいしい新米と一緒に、一碗、一椀に盛り込んだ実りの秋を口にする幸せなひと時を、どうぞ。