かつお
勝男(かつお)の語呂合わせで、端午の節句のお祝いにも大活躍。
縄文時代の遺跡から骨が発見されているほど、古くから日本人に親しまれてきた「かつお」。当時は生ではなく、かたく干した「硬魚(かたうお)」に加工して、調味料や携帯食として用いられていました。「かつお」の名は、この「硬魚」が転じたものだといわれます。
そんな「かつお」の旬は年2回。初夏に日本列島に沿って北上するものを「初がつお」、秋に南下するものを「戻りがつお」といいます。江戸時代、初物好きの江戸っ子たちにこよなく愛されたのがこの「初がつお」。初夏に欠かせない風物詩として、『目には青葉 山ほととぎす 初がつお』と俳句にも詠まれました。
選び方
節におろしたものや切り身は、赤身の色が鮮やかで透明感があり、身がしまっているもの。血合いがついているものは、血合いの部分が黒くなく、朱色で鮮やかな色合いのものを選びましょう。
栄養
高たんぱく、低脂質です。血合いの部分には、赤血球の生成を助ける働きをもつといわれているビタミンB12を含みます。
料理
初夏の「初がつお」はあっさりとした味わいで、刺身やたたき、焼き物、煮物、揚げ物などのさまざまな料理で楽しめます。香味の強いものや油分と相性がよいので、刺身やたたきには、おろししょうがやにんにくの薄切りなどを添えていただきましょう。薬味や生野菜といっしょにカルパッチョ風にして、ドレッシングをかけて食べるのもおすすめ。また、しょうがとともに佃煮風に煮たり、しょうゆ、酒、みりんを合わせたタレに漬けて照り焼き風に焼いてもおいしくいただけます。
料理の基本辞典