だしは、和食の基本です
和食になくてはならない、だし。特に汁物や煮物などはだしがおいしいかどうかで味が決まる、といっても過言ではありません。和え物や酢の物などもだしを少量加えることで味がまろやかになり、さらに味わい深くなります。だしが効いていればそれだけうま味が増すので、塩分を減らせるという効果もあります。
おいしさの秘密は「うま味」
だしが料理の決め手となるその秘密が、原材料のかつお節や昆布、干ししいたけなどに含まれているうま味成分です。うま味とは、甘味、酸味、塩味、苦味と並ぶ基本味のひとつ。100年以上前に日本人の池田菊苗博士によって発見されたものです。現在では世界でも注目され、「UMAMI」という共通語にもなっています。
うま味成分は主に3種類あり、そのうちグルタミン酸は昆布やチーズ、緑茶などに、イノシン酸はかつお節やいりこなどに、グアニル酸は干ししいたけなどに多く含まれています。これらを組み合わせて使うと、相乗効果でうま味がさらにアップ。和食で合わせだしを使うのもこうした理由からです。

幅広い料理に使える万能だし かつお昆布だし
香り際立つ豊かで上品な味わい
【一番だし】
材料(作りやすい分量):かつお節…30g、だし昆布(5cm角)…2枚、水…1100ml
<できあがり> 約1000ml
<こんなお料理に> ●吸い物 ●茶碗蒸し ●だし巻き卵など
昆布の表面についた汚れを、濡らしてかたく絞ったペーパータオルでサッと拭きます(表面の白い粉はうま味成分なので、洗い流したりしません)。
鍋に昆布と水を入れて10分程度おき、弱火にかけます。ふつふつと小さな泡が立ち、煮立つ寸前になったら昆布を取り出します。
強火にして煮立ったら、かつお節を1度に加えて、すぐに火を止めます。
しばらくおいてかつお節が沈むまで待ち、ペーパータオルなどで静かにこします。
じっくり引きだした濃厚なうま味
【二番だし】
材料(作りやすい分量):一番だしをとった後のかつお節と昆布 …上の全量分、かつお節…10g、水…550ml
<できあがり> 約500ml
<こんなお料理に> ●みそ汁 ●煮物 ●麺類のつゆなど
鍋に一番だしをとった後のかつお節と昆布を入れ、分量の水を加えます。
強火にかけて沸騰させたら、弱火にしてアクを取りながら約10分煮ます。
かつお節を加えて火を止めます(追いがつおでうま味を補い、風味づけをします)。
しばらくおいてかつお節が沈んだら、ペーパータオルなどで静かにこし、最後に軽く絞ります。