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なす

「なす」と呼ぶか、「なすび」と呼ぶか
日本で長く愛される夏野菜の代表選手

『秋なすは嫁に食わすな』ということわざもありますが、「なす」は秋ではなく夏の野菜です。インド東部が原産地といわれ、日本では奈良時代より千年以上も栽培されてきました。平城京から出土した木簡には、身分の高い人への進物に「なす」の粕漬けが使われていたという記録が残っています。
日本に伝わってきた当時の「なす」は、「奈須比」と書いて「なすび」と呼ばれていました。「なすび」が「なす」に変化した理由には諸説ありますが、そのひとつが江戸の商人による宣伝活動だというもの。〝物事を成す(成功する)〟という意味をかけて、「なす」を縁起のよい食べ物として売り出したところ、その呼び名が江戸の町じゅうに広まっていったというのです。そのこともあってか、現代では「なす」の呼び方がすっかり定着しましたが、地域によっては「なすび」と呼ぶ習慣が今も残っているようです。

選び方

へタの切りロがみずみずしく、ガクのトゲがしっかりしたものを選びましょう。皮は紫紺色(しこんいろ)で、光沢とハリがあるものが新鮮です。

栄養

なすはカラダを冷やす食材といわれ、夏に食べるのがよいとされています。皮には、ナスニン(アントシアニン系色素)というポリフェノールの一種が含まれます。

保存

ラップに包み、冷暗所で保存して、2~3日以内に使いきるのがおすすめ。5℃以下での保存は避けましょう。

料理の基本辞典