
和食の味つけは意外とシンプル。「さしすせそ」の5つの調味料と、酒、みりんを用意しておけばOKです。調味料にはそれぞれに働きや役割があるので、しっかりおさらいしておきましょう。
さとう【砂糖】

料理に甘味をつけるだけでなく、照りやきれいな焼き色をつける働きがあります。最も一般的なのは、クセのない甘味でどんな料理にも向く「上白糖」。甘味もうま味も強い「三温糖」や独特の香ばしさをもつ「黒砂糖」は、煮物などに加えると少量でもコクがでます。
「砂糖」と「みりん」の使い分けは?
砂糖
- ストレートな甘味で、甘味の強さは みりんの約3倍
- 素材をやわらかくして、料理がしっとり、ふっくらと仕上がる
みりん
- まろやかで上品な甘味があり、独特のうま味・風味をもつ
- 素材をしめて、煮くずれを防ぐ
しお【塩】

しょうゆやみそとくらべ、よりストレートな塩味を加えます。塩によって水分が抜けるので、魚の生臭みを取る、野菜をしんなりさせる…などの下ごしらえにも。日本で製造されているのはほとんどが「海塩」ですが、最近では外国産の「岩塩」も手に入りやすくなりました。
「海塩」と「岩塩」はどう違う?
海塩
海水の水分を取り除き、結晶化させたもの。
- まろやかな塩味
- 魚料理や野菜料理など、素材の味を生かすあっさりとした料理に
岩塩
何億年も前の海水が閉じ込められた岩塩層から採取されたもの。
- 強くストレートな塩味
- 肉料理などこってりとした料理や、パンチのある味に仕上げたい時に
す【酢】

料理に酸味を加える調味料。とうもろこしや小麦などの穀物を主原料にした「穀物酢」、米を主原料にした「米酢」、ワインビネガーやバルサミコ酢といった「果実酢」などがあります。食材の変色を防いだり、保存性を高める働きも。
「穀物酢」と「米酢」はどう違う?
穀物酢
- クセのない、さっぱりとした酸味
- 加熱しても香りが飛びにくい
米酢
- まろやかな酸味で、香りが良い
- 熱を通さない料理向き
せうゆ【しょうゆ】

旧仮名遣いで「せうゆ」と書く「しょうゆ」は、料理に塩味と独特のうま味、香りを加えます。一般的にしょうゆといえば「濃口しょうゆ」のこと。濃口よりも淡い色をした「薄口しょうゆ」もあり、上手に使い分けると味の幅がぐんと広がります。
「濃口しょうゆ」と「薄口しょうゆ」はどう違う?
濃口
- 深みのある赤褐色で、香りが強い
- 幅広い料理に使える万能タイプ
薄口
- 濃口よりも色が薄く、塩分は高め
- 素材の味や色を生かしたい時に
みそ【みそ】

料理に塩味と独特のうま味、甘味を加えます。使用した麹(こうじ)によって「米みそ」「麦みそ」「豆みそ」に分類され、また色によって「赤みそ」「白みそ」「淡色みそ」に分けられることも。それぞれ塩分量が違うので、味つけの際には加減しましょう。
「米みそ」「麦みそ」「豆みそ」の特徴は?
米みそ
- 米麹で作られたみそ
- 貝類や豚肉など、味の強い食材にも負けない味わい
麦みそ
- 麦麹で作られたみそ
- 独特の麦の香りとうま味があり、田舎みそとも呼ばれる
豆みそ
- 大豆麹で作られたみそ
- うま味や辛味が強く、やや渋味があり、魚介類によく合う
その他の調味料
酒
和食に使われる「酒」は「日本酒(清酒)」のこと。料理に風味やコクをつけたり、食材をやわらかくしたり、肉や魚の生臭みを取るなどの効果があります。味つけの際には砂糖と同時に加え、アルコールをしっかり飛ばしましょう。
みりん
「本みりん」として市販されている酒類調味料。砂糖より甘味がやさしく上品で、料理にうま味や照りをつけたり、生臭みを消す効果もあります。素材をしめる性質があるので、煮くずれを防ぐ時には最初に、照りをつける時には最後に加えます。