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あさり

うま味ぎっしりの春の味覚
江戸っ子も舌鼓を打った「あさり」

縄文時代の昔から日本人に親しまれてきた「あさり」。かつては日本全国の海辺に数多く生息しており、あまりに手軽に獲れることから、魚介類を探し取るという意味の〝漁る(あさる)〟がその名の由来になったといわれています。
「あさり」は江戸時代の人々にも人気の食材だったようで、江戸の町では棒手振り(ぼてふり)と呼ばれる行商人が早朝から「あさり」のむき身を売り歩いていたとか。庶民に人気のおかず番付でも、魚類の第2位に「あさり」を使ったメニューがランクインしていたほどです。東京の下町グルメ、深川飯が生まれたのもちょうどこの頃。東京湾で獲れた「あさり」を、深川の漁師たちが仕事の合間に海水でサッと煮て、豪快にご飯にかけて食べたのがはじまりだそうです。

選び方

殻が開いているときに触れると、すばやく閉じるものを選びましょう。むき身の場合はツヤと弾力のあるものが新鮮です。

栄養

赤血球の働きを助ける鉄分やビタミンB12、肝機能の働きをサポートし、エネルギー代謝を助けるとされるタウリンを含みます。

料理

貝特有のうま味成分であるコハク酸を含んでおり、だし汁を必要としないほど、うま味が濃い貝です。うま味を生かしたみそ汁やチャウダーなどの汁物、蒸し物、ご飯物、佃煮をはじめ、さまざまな料理に使えます。

料理の基本辞典